ガクシンFind 2024年10月10日号
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す!
お気に入りの一冊で
『
「弱くても勝てます」
開成高校野球部のセオリー』
高橋秀実 (著)
この小説はノンフィクションの物語で、2014年に二宮和也
主演でドラマ化もされた作品です。
この物語は、運動能力
に長けた人が少ない開成高校野球部が、才能や技術に恵
まれなくても、知恵や工夫、努力によって勝利を目指す姿を
描いています。週1回の練習で勝利をつかみ取るカギは、
常識にとらわれない監督の戦略で、そこが作品の魅力の一
つになっていると思います。
また、
メンバーの個性が豊か
で、野球にずっと取り組んできて実力のある人も、野球をし
たことすらなかった初心者も、皆それぞれ違う悩みを抱え
ていて、特に運動部に所属していた人はきっと共感できる
部員がいると思います。部活などで苦労した経験があるす
べての人におすすめの一冊です。
友膳涼平 神戸大学4回生
『アナログ』
『オードリー・ヘップバーンの言葉』
山口路子 (著)
表紙に書かれていた「私は自分を美人だと思ったことがありま
せん̶̶」
という言葉に衝撃を受け、書店で手にとりました。
この本は「美」
「愛」
「仕事」
「人生」
「使命」の5項目に分かれて
オードリー・ヘップバーンの名言が書かれており、彼女が今で
も世界中の人に愛されている理由が隠されています。
また、ルッキズム(外見至上主義)が社会問題として取りあげ
られている現代に、
コンプレックスを含めてありのままの自分
を愛する勇気をくれます。
これからも自分を強く・美しくしてく
れる言葉を身にまといながら、揺るがない軸を持ち続けるた
めにも、何度も読み直したい一冊です。
小峠 雅 同志社大学3回生
『いつか記憶からこぼれおちるとしても』
江國香織 (著)
この本は同じ女子高に通う10人の女子高校生に起こる出来
事をそれぞれの生徒視点から描いた6つの物語で構成され
る短編集です。裕福な家庭の中での虚しさや大の親友への違
和感など、子どもと大人の狭間を生きる高校生の複雑な感情
が繊細でさらりとした言葉で綴られていて、読み終わると切
なさと奇妙さと爽やかさが織り交じったような、何とも言えな
い気持ちにさせてくれます。何よりタイトルがお気に入りで
す。私はこの本を作中の女子高校生と同い年の17歳のときに
はじめて読みました。
しかし大学生になった今、読み直してみ
ると懐かしさを含んだ新たな気持ちで読むことができまし
た。何歳で読んでも楽しむことができる一冊だと思います。ぜ
ひ手に取ってみてください。
柴田夏萌 同志社大学1回生
『WHYから始めよ!
インスパイア型リーダーはここが違う』
サイモン・シネック (著)
皆さんは「カリスマ的なリーダー」に憧れたことがありま
すか。
この本では、人を強制ではなくインスパイアして
動かせる人間の特徴や考え方を教えてくれます。それが
「Why」から始めることなのです。Whyとは自分の行動
原理であり、信念や理念です。それを明らかにすること
はすごく重要で、なぜなら人は同じ信念を持っている者
に信頼を寄せるし、そこに忠誠心が生まれるからです。
そうして信念を共有して忠誠心を持った人が、その価値
観を広めていく上で必要不可欠な存在なのです。だか
らキング牧師は「私には夢がある」
と語りだすし、
ス
ティーブジョブズは「個人が企業と戦える武器」
としてア
イフォンを売り出したのです。
もっと彼らの思考を知りた徳持善太 大阪公立大学4回生
い方はぜひ読んでみてください!
『令和元年の人生ゲーム』 麻布競馬場(著)
コロナ禍にTwitter上で投稿された小説が話題になり、
『タワマン文学』
というジャンルを確立した麻布競馬賞
さん。本作は、彼の第2作で第171回直木賞にノミネー
トされた話題の作品です。
本作は4章の短編小説から成り、ある登場人物の大学
生期・新社会人期・入社数年後・転職後の周りにいた
「意識高い系」の人々の出来事が描かれています。
「こ
んな感じに良さげな(誰かが言ってた)ことしてたら、」
・
「自分はちゃんと考えて
(実は何も行動していない)過ご
してるから、、」
・
「起業しようと思ってて
(口だけ)」。
こん
な人々のお話です。帯にある
『この〈勝ち確〉人生が、い
つまでも続きますように!』。読了後にはこの言葉が
ずっしり心に残ります。心がざわつき始めたあなた、是
非一度手に取ってみてください!読了後には、あなたの
新たな大学生活が始まるはず!
堀華乃音 同志社大学1回生
ビート たけし (著)
私が今回紹介するのは有名なお笑い芸人・ビートたけしさん
が書いた「アナログ」
という本です。主人公・水島悟はアナログ
にこだわるデザイナーで周囲がデジタル化する中で、
自信を
無くしているときに出会ったのが美春みゆきという女性でし
た。2人はあえて連絡先を交換せず毎週木曜日同じ時間で会
うという不便だけど趣のある アナログな恋愛を育みました。
私はこの本は普段本を読まない人にこそおすすめしたいと
思います。私自身も本を読む習慣はなかったのですが 2023
年に映画化されたことをきっかけに気軽な気持ちで手に取り
ました。デジタルに依存していしまっている私たちだからこそ
この本で得られる アナログ の大切さを人一倍実感できるは
扇田莉奈 同志社大学1回生
ずです。ぜひ一度気軽な気持ちで手に取ってみてください!
『逆張り思考 戦わずに圧倒的に勝つ人生戦略』
成田修造(著)
「逆張り」
とは、証券用語で相場が下落している際に買い、上昇
している際に売るという相場の流れに逆らって行う投資手法
のことです。著者の成田さんは現在起業家として活躍されて
います。そんな成田さんの生い立ちや起業までの歩み、現在
に至るまでの周りとは異なる成功するための「逆張り思考」に
ついて学ぶことが出来ます。本書で述べられている考え方の1
つに「戦略とは戦いを省略すること」
であるとあります。昨今の
大学生の多くが就活をする上で、年収や安定を求めていわゆ
る大企業に就職したいと考えていると思います。
しかし、
自分
の力を100%発揮できるような自分の夢や目標が実現できる
職場を見つけることが本当に大切なことで、そのためにはみ
んなが乗っているレールからはずれて競争を避けることが重
要だと書かれていました。そして、そのために挑戦し続けるこ
と。
この本を読めばきっと、幸運を呼び込み成功するためのヒ
ントを見つけることが出来るはずです。
児玉裕一 京都府立大学4回生
『優しい死神の飼い方』
知念実希人(著)
死に直面した人々の魂の道案内役である死神。ある1
人の死神が人間界へと左遷されてなったのは、なん
とゴールデンレトリバー。彼は死に直面する人間を
うと奮闘するハートフルミステリーです。
この作品は、生死を考えさせられる作品です。生きな
がら大切にしてきたこと、捨てきれないもの。登場す
る人間たちが最期にする選択に心打たれました。
主人公が犬なので、
しっぽを振ったり吠えたりする描
写がなんとも愛おしく感じられます。
また、
この作品
はシリーズとなっていて、2作目、3作目は猫の死神も
登場します。主人公の「優しい死神」をぜひ愛してみ
てください。
日沼和子 同志社大学1回生
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』
三宅香帆(著)
タイトルに引き寄せられ、出版当初のブームから少し遅
れて読んだ。
最近、働いている人の間で本が読めないことを嘆く声は
多く聞かれるが、
どうやら本書によると、昔から
「働いて
いるから本が読めなかった」
というわけではなさそうで
ある。本書の構成のうちの最大部分として、近現代を四
区分に分けてそれぞれにおける労働トピック、
どのよう
な自己啓発願望(エリートに追いつくなど)が持たれて
いたか、そしてその自己啓発を行う手段(教養をつける
など)を分析することで、その時代の読書の位置づけを
確認する取り組みがあった。四パート目のバブル崩壊後
∼現代においては、読書が自己啓発の手段としての情
報を得るのに必ずしも最適な方法ではなかったことで、
現代人にとってノイズとなってしまったとし、全身全霊で
はない半身労働の働き方が読書を続けることにつなが
ると締めくくった。
柏 小晴 京都府立医科大学4回生
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