ガクシンFind 2025年4月15日号

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あなたの心の一番近くに在るためのバンド「the shes gone」
聴く人に そっと寄り添う バンド『
、the shes gone』。
このバンドが届ける恋愛の儚さや切なさは恋をするすべての人
が共感できるでしょう。2025.3.26発売のミニアルバム
「AGAIN」
また「
、AGAIN TOUR 2025」開催決定について
ガクシン記者がインタビューさせていただきました。
取材・文:扇田莉奈 同志社大学2回生 / 堀華乃音 同志社大学2回生
自分たちの曲次第で普段関わることのない方々にも出会え
アルバムの中で特に思い入れのある曲だったり、the shesgoneの す。
曲を初めて聴く方にも聴いて欲しいなっていう曲はありますか? ると思うので。
兼丸:新しい挑戦をした「ひらひら」
という曲です。今回初めてプロ ツアーにかける想いは、僕らはもうみんなをお迎えする準備は
デューサーの島田昌典さんとお仕事をしたというのがとても大き できているので「僕らに甘えに、なんなら救われに行くつもりで
ってことですかね。みんなの「ライブに来るまでに
かったと思います。それまではセルフプロデュースという形で自分 来て欲しい」
という一人ひとりの小さな幸せも
達だけでどんな楽曲がいいかを模索し続けてきました。テンポの こんなことがあったんだよね」
速い曲はどうしてもライブハウスでは高揚感があって良く聴こえが 悲しみもこのツアーを通してひとつひとつ拾ってあげれたらい
ちだと思うんです。それに対してバラードの楽曲は、歌も演奏もご いなと思います。一人でも多くの人を救えるようなツアーにし
まかしがきかない たいですね。
からこそ、the shes
goneはバラードに ガクシンの読者である学生に向けてメッセージをお願いしま
力を入れてきまし す。
た。そういう中で代 兼丸:やるべきこと、勉強やバイトは常に目の前にあっても、な
んだかんだ割ける時間があるのって大学生が最後だと思いま
表曲にもなった
「ラベンダー」を評 す。その時間を自分の好きなことにあてたらいいんじゃないか
価していただけて。 なと思います。僕は学生時代お金がなくて就活のつもりでバン
「想いあい」
という楽曲
「栞をはずして」
と ドの最初の曲「ラブストーリー」、そして
優しく甘い歌声と誰もが感じたことのある恋愛の儚さや切なさが表現さ
いう楽曲を最後に のMVを自分で作りました。
れた歌詞が最大の魅力であり、そっと寄り添う バンドアンサンブルで歌
2年くらいバラード その取り組みがまた今に繋
詞の情景を表現した 4人組ロックバンド。
の楽曲は作っていなかったんですが、今回の「ひらひら」は、ピアノ がっていると思うので、いか
YouTube チャンネルは、総再生回数 5000 万回を突破しており、
やストリングスの音など新しい音や島田さんのお力を借りつつ、気 に有限である時間を自己投
サブスク総再生回数1億5000万回を突破するなど、若者中心に絶大な人
合というよりは気持ちを全員で込めた曲なので、ぜひ聴いていた 資に使ってやりたいこと、好
気を集めている。
きなことをとことん突き詰
だきたいです。
めてあげてほしいなと思い
「僕らの歌があなたの日常に寄り添えますように」
アルバムタイトル「AGAIN」にちなんで「もう一度」大学生活に戻る ます。ただ「やりたいことを
今のうちにやっとけ」
という
ならどんなことをしたいですか?
この度はミニアルバム「AGAIN」発売おめでとうございます。
タイト
自分がやり
兼丸:大学生活ではないんですけど、高校生の時に学園祭で人前 ことではなくて、
ル「AGAIN」にはどのような意味が込められているのでしょうか?
で初出演するはずだったバンドが曲を披露する直前にメンバーの たくないことも一生懸命
兼丸:僕達はこれまではthe shes goneの音楽が必要とさえされてい 同級生が校則違反をしてしまって。出場停止になってキラキラした やったらちゃんと結果がつ
れば、
リスナーにとっての1番を他のアーティストに譲っても別によ
と思って
舞台に立つことができなかったんですね。だからその時に失った く、無駄じゃない、
かったんです。
でもそれは優しさの勘違いであったと気づいたとい
青春を取り戻す、
という気持ちで僕は今も音楽を続けているところ 今を頑張ってもらいたいな
うか、今はもう
「聴いてくれるあなたの1番を誰にも譲らない」、その
があって。
コロナ禍よりライブに来てくれるお客さんも増えてくれ と思います。
ために「もう一度諦めずにやってみる」
という気持ちが込められてい ている中で、皮肉にも文化祭での経験のおかげで今があって、僕
ます。
が音楽を続けていなかったら出会えていないような人たちがいる
作った側にとっての「AGAIN」はただ単に「楽しい・悲しい」だけじゃ
と思うと、正直戻らなくていいなと思います。(笑)
ない 感情 っていうものにこれまで以上に寄り添うことを意識しまし
た。その上で、普段の生活で気づけないような細かい感情の機微に バンドの今後の目標や、ツアーにかける想いをおしえてください。
も気づけたことで、もう一度 自分自身の過去を振り返り、現在を見
兼丸:結成した当初から、夢を掲げると達成してしまった時がリア
つめなおすきっかけにもなった作品を作れたと思います。
ルに見えてしまう気がしているので、敢えて掲げないようにしてい
聴いてくれるリスナーにとっての「AGAIN」は また 聴きたくなる、も るんです。ただ、目標という点でいうと
「1曲でも多く自分たちが納
う一度 ここに戻ってきたくなる、そう思ってもらえるようにこのタイト 得した曲を、
まだ出会えていない方たちに届けたい。」
ということで
ルを付けました。
京都在住のギタリスト綿貫正顕さんインタビュー
ギタリスト・講師・作曲家・編曲家と様々なフィールドで活躍されている綿貫正顕さん。
これまでのキャ
リアと音楽への想いをインタビューさせていただきました!
取材・文:堀華乃音 同志社大学2回生
も教わった場所ですね。人生のあの時期に、ああいう場所
が有ったっていうのは本当にラッキーでした。
綿貫正顕(わたぬき・まさあき)
京都市在住の日本の作曲家、編曲家、ギタリスト。大阪音楽大学講師、
佛教大学オープン・ラーニング・センター講師。
主な作品:
ZARD「MIND GAMES」
:作曲、編曲、ギター、
コーラスで参加。オリコン
1位。
ZARD「GOOD DAY」
:作曲、ギターで参加。オリコン2位。
愛内里菜「赤く熱い鼓動」
:作曲で参加。オリコン7位。
WANDS「Brand New Love」
:作曲、ギターで参加。オリコン17位。
BOYS AND MEN「どんとこいやー!」
「花道ゴージャス」(アルバム『Cheer
up!』収録) 作曲、ギターで参加(松田純一との共作)。オリコン1位。
-------------------------------------------------------------------'04 ZARD『What a beautiful moments tour』
'04 稲葉浩志『en』
'02∼'07 愛内里菜のライヴ
'11 ZARD『What a beautiful memory ∼forever you∼』
以上にギタリストとして参加。
-------------------------------------------------------------------音楽を始められたきっかけを教えて下さい。
綿貫さん(以下敬称略)
:きっかけは小学校の頃に友人の影響でギターに
触れたことです。そのあと中一の時に、THE ALFEEのコンサートを観に
行って
「やるしかない。」
と思ってから、独学で練習を始めました。その頃
から、地元の「wave」
という楽器屋さんに入り浸って、そこで色々な方と出
会って、ギターを教えてもらうようになりました。
「wave」
での人脈がなけ
れば、演奏方法など未だに気づいてなかったことが有ると思います。
綿貫さんにとって
「wave」はどのような場所だったのでしょうか。
綿貫:学校では教わらないような良いことも悪いことも、音楽以外のこと
作曲や編曲についてお聞きします。
どのように始められた
のでしょうか?
綿貫:プロになろうと決めてバンドをしていた時に事務所
に拾ってもらい
ました。
でもその
活動が上手くい
かなくなったと
き、音楽家として
生き残るには作
曲するしかない
と考えて。それで
見よう見まねで
始めました。
現在は、
どのような活動されているのでしょうか。
綿貫:講師としての活動と、ギターの音源制作の依頼を受け
たりをしています。15年ほど前に音楽事務所を辞めて、作家
事務所に入ったけど、
コンペに全然通らなかんです。その頃
に仕事で一緒になった友人の紹介で、講師を始めました。
でもギターを教えるつもりが音楽理論を受け持つことに
なったんです。毎週、勉強しまくって講義に挑んでいました
ね。
また、
ご縁があって、母校である佛教大学のオープン
ラーニングセンターの講師を務めることになりました。そこ
では、簡単な音楽理論を教えたり、ユーミンのアルバムを1
回の講座で一枚聴くといった講義をやってみたりしていま
す。おかげさまで好評を得ているみたいです。他には大阪
音楽大学の「ミュージッククリエーション専攻」ギターの担
当をしています。
でも、そこの学生たちはギターを弾くよう
になるためだけに来てる訳じゃない。だから、たとえ上手く
弾けなくても録音音源が完成できるようにということを目
標にカリキュラムを作っています。実は、それが自分の制作
にも結構生きているんです。ギターの演奏の音源制作の依
頼で、物理的にも弾くことができないパート譜面が送られて
きても、絶対できませんって言わないようにしているのです
が、授業で学生たちに教えている演奏法がフィードバックさ
れて、その方法を使って音源を録ることもあります。大学や
センターの授業も、僕が一番勉強にならないとやってる意
味がないと思っています。聴いている人たちにその気持ち
が伝わるはずだから。
紆余曲折があった中でも音楽を続けられたのには何かあっ
たのでしょうか。
綿貫:単純に好きってことに尽きます。仕事以外でも好きな曲
のギターのコピーをしたり、作曲も勉強を続けています。実は
病気で入院してた時期があったのですが、入院中に色々と考
えてるうちに好きなこと・やりたいことをせずに死にたくない
なと。好きなことを絶対やって、挑戦した先で何ができるかっ
てことを考えるっていうふうになりました。
新たな物事に対する勉強法などはありますか?
綿貫:新しいものに触れ続けるっていうことが、テーマではあ
るかな。思いついたことはすぐに忘れちゃうから、必ずメモし
ておいて更に深く調べたりとか。それを調べようと思うってこ
とは、新しいことなわけだから。新しいこと・わからないことを
そのままにしないところはポイントですね。
ガクシンの読者である大学生に向けてメッセージをお願いし
ます。
綿貫:今できることを頑張っていくしかないよね。
自分が本当
に何がやりたいかとか、好きかっていうことを考え続けるしか
ないと思っています。あんまり難しく考えずに、それが本当に
やりたかったらやればいいし。
でも、そこに固まっちゃうと広
がらないので、
そこじゃ
ないところに行くのも
大切だと思います。例
えば、普段遊ばない友
達から声がかかった
ら、
「そんなに仲良くな
いし。」
って断るんじゃ
なくて、行ってみようか
なって考えるとか。当た
り前だけど、そこには知
らない世界が展開され
てるわけですよ。学生
さんって、体力も時間も
あると思うから自分の
世界に閉じ込まらず、
色々な新しいものに触
れていければいいん
じゃないかな。
有難うございました!
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