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青春時代の素直でまっすぐだけど切ない感情。そんな複雑な思いをリアルに思い出させてくれる。ポジティブに日々の変化を捉えている。そんな音楽を発信するShout it Outが7/6、メジャーデビュー!デビューシングルはもちろん、10代を振り返っての心境や未来についても語っていただきました!
10代最後を詰め込んだ作品、どんなテーマの曲ですか?
山内彰馬(Vo&Gt):「生きる」というテーマにしました。僕らの同世代はみんなSNSをやっていて、何かあればすぐ「死にたい」とかつぶやく。僕らより上の世代より、悪い意味で“死”というものが身近になってしまっているなっていうのを感じていて。メジャーデビューっていう機会に、「そんなありふれた“死”をも上回るように生きていこう」という思いを込めて作りました。
「青春のすべて」のMV、“未来を見つめる君には渡せなかった”の部分が切なくてじーんときました。お二人のお気に入りポイントは?
細川千弘(Dr./リーダー):彰馬から聞いていた、青々しい青春だけでなく、「空で言ったら曇り空」っていうイメージ通りの空になってくれたのが僕的には良かったなって。
山内:“僕らの春はまだ青い”のフレーズの前に、音に合わせて絵が変わるシーンがあって、そこは僕の提案なんです。初めてしっかりMVに関して意見をして一緒に作ったので、思い入れが強いです。
ストーリーが感じられるMVですよね。収録曲それぞれのストーリーは?
山内:「ギターと月と缶コーヒー」は悲しさを自己完結している歌で、「青春のすべて」は憂鬱だとか葛藤だとかを歌詞に入れつつも、現状で完結させず未来に進んでいこうという思いがある。あと「一から」で、「メジャーという新しいステージにいっても変わらず歩いていこう」という思いを自分たちに向けて込めています。
今回、SUPER BEAVERの柳沢さんをプロデューサーとして迎えられていますが、柳沢さんのどんなところに惹かれて今回実現されましたか?
山内:SUPER BEAVERは、僕が高校生の時に出会ってそれからずっと好きで。当時の僕は、ノりやすい、ライブを盛り上げるだけの音楽が苦手だったんですが、SUPER BEAVERは自分たちの言葉をちゃんと伝えるっていうライブをしていて。僕が“かっこいい”と思うことを全てやっているバンドだなと思ったんですよね。
自分を信じている感じがかっこいいですよね。
山内:メジャーデビューが決まった時から、ずっと不安だったんですよ。自分たちのやりたいことができなくなるんじゃないかなって。でも、同じ経験をされているSUPER BEAVERが味方に付いてくれたら、僕らをいい方向に導いてくれるんじゃないかって。実はレコーディングの時期、SUPER BEAVERは東京でワンマンが決まっていて、忙しい時期だと知っていたのですが、ダメ元でお願いしたんです。するとすぐに快く受けていただいて。レコーディングでも目線を合わせて、不安も聞いてくれて。自分たちと同じようにならないためにどうしたらいいかも教えてくれて。今後のShout it Outの土台を作ってくれたと思っていますね。
細川:レコーディングの時も率先して現場のスタッフさんにあいさつに行ったりだとか、ボーカルの渋谷さんがお菓子をもってサプライズでスタジオに来てくださったりだとか。そういう人間として大切なことも、バンドマンとしての立ち振る舞いもすごく勉強になって。楽曲も、前日まで彰馬が歌詞で行き詰っているって柳沢さんに連絡したら、喫茶店で3時間ぐらい相談に乗ってくれたり。
心強い偉大な先輩が味方に付いてくれたんですね。20代直前にしてメジャーデビューとなって、大人に対する見方に変化がありましたか?
山内:僕は昔、学校の先生とぶつかるタイプでして。だから、大人の人がすごく嫌いだったんです。しっかり音楽をするようになってからは、いろんな大人と関わる機会が増えて、「大人の人も色々考えてやってるんだ」と気が付いた。まあ、そりゃそうなんですけどね(笑)。レコーディングの前に柳沢さんと2人でご飯に行かせてもらえたときに、一度大人の人と上手くいかなくなったのに、今もう一度レーベルについて大人と一緒にやれているのはなんででなんですか?」って聞いたら、かっこいい大人もいるってことを教えていただいて。かっこいい大人がそういうんだから、間違いないなと思って。全ての大人が好きになれたわけではないけど、むやみに大人を嫌うことはなくなりましたね。二十歳になるのは嫌ですが(笑)。(※インタビュー時は19歳)
リリースの4日後に二十歳を迎えられるんですよね。メンバーの皆さんは同じ年ということですが、バンド名の由来と結成された経緯をお願いできますか?
山内:高校の軽音楽部員で結成されたんですけど、最初にベースのたいたいが僕に声かけてきて。バンド名は、響きだけでみんなで言い合って、誰かがShout it Outって言って、それいいねって決めました。だから本当に深い意味はないんです(笑)。「内にあるものを大声で叫べ」っていう意味は後で知った。今の音楽にたどり着くにつれて、音楽性のほうがバンド名に寄っていったなっていう感じがします。
細川:僕は去年加入したんですが、もともとShout it Outを知ってて、ドラムが抜けたって言う情報が入って。楽曲もすげえかっこいいと思ってたし、何より山内彰馬というフロントマンに惹かれていた一人だったので、このチャンスを逃したらだめだと思って直接連絡を取って、名古屋から大阪に通って、サポートで加入して今に至ります。
10代最後にやりたいことは?
山内:「青春のすべて」を書いて、やり切った感はあるんですが、前日には思いっきり落ち込むと思いますね。まだ、二十歳になりたくないので「ああ、明日二十歳になるのかあ」と1日下を向いてすごくと思います(笑)。大人と子供の境界線を越えてしまう悲しさをお酒を一杯飲んで、忘れたいと思います!ちゃんと、お酒を飲んで感じたことも歌にしつつ(笑)。
細川:僕はずっとドラムだけをやってきたので、天才キッズドラマーで昔から活躍している同世代ドラマーの今西健人くん(The Winking OwlのDr. KenTさん)がYOUTUBEで動画をあげてるんですけど、10代のうちに少しでもそのドラムに近づきたいなと思ってます。あと、いつか会えたらなと。
Shout it Outの曲で自分が一番好きな曲はなんですか?
細川:「青春のすべて」ですね。ライブでやるときも僕らの中でスイッチが入るというか、メジャーデビューの曲なのでずっとやり続けると思うし、名刺代わりになると思うし、すごく思い入れも強いし納得できる曲にできたので。
山内:作詞は全部僕なので、いざ完成すると曲が全部子供のように思えてきて。親に、「兄弟の中でどの子が一番かわいい?」って聞いても返事が返ってこないのと同じで、どれも可愛いんですけど。でも、「光の唄」かな。オリジナルをつくり始めて3曲目ぐらいの曲で。高1の時から、一人もお客さんがいなかった頃からやっている曲。だから曲の方にあの頃と違う景色を見せられてるなという気持ちになるんです。
影響を受けている、また仲の良い同期のバンドマンはいますか?
山内:数人いますが、ガクシンにも以前載っていた、Mrs.GREEN APPLEの大森元貴には特に、影響というか刺激を受けていますね。お互い高校生の時から知り合いなんですけど、最初はあいつ(Vo.大森)がネットにあげていた曲を聴いて、「こんな同期がいるんや」ってビックリさせられた感じだった。そこから繋がって、今もプライベートでも遊んだりするんですけど、あいつの仕事に対する姿勢や作品は、本当に良いと感じる。喋ってるとやっぱり同い年というのを実感して、それでなおさら悔しくなって。そういう悔しさはバネになってますね。
細川:あと同期のclimbgrowとSIX LOUNGEはこの間対バンしたんですけど、本当に格好良くて。すごい意識しているし、Shout it Outのことを意識してくれてもいるので、そうやって切磋琢磨できていいなと思います。
同期と切磋琢磨、青春ですね!バンドをやっている学生、続けるか迷っている学生になにかアドバイスをお願いします。
山内:バンドは難しく考えずに好きって気持ちだけでやるのが一番かっこいい音楽をやるコツだと思うんですよ。しがらみもあると思うんですけど、根底にあるのは「音楽が好き」っていう気持ちだと思うんで、そこを突き詰めていったらいいと思います。
細川:学生なら、自分よりうまいやつに対して、悔しさを持ってほしいというか。悔しさってすごく原動力になると思うんで、そういう気持ちをずっと持っていったら上達すると思います。
では最後に、青春が終わることに不安を覚える人にメッセージをお願いします!
山内:結局何が起ころうと、何を言われようと、自分が選んだ道を行くのが一番だと思うし、どんなことが起ころうが自分を信じてやっていれば大丈夫、というのを心にとどめておけば楽しく生きていけるんじゃないか、と。そう思って僕も生きてます。
細川:学生時代って意図せずに案外子供というか。群れてる人とかも多くて、周りに合わせて行動しちゃったりして。でも社会に出たら自力で生きていくじゃないですか。だから、自分の意思を持って行動することが大事だと思います。
ありがとうございました!
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