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ミュージックインタビュー

Brian the Sun(ブライアンザサン)インタビュー

無骨で純粋な「Brian the Sun」としてのロックを追求することに舵を切った2019年。2020年初の作品に彼らは何を託したのだろうか。全作詞作曲を務める森良太さん[vo./gt.] と、バンド結成当時から歩みを共にする白山治輝さん[ba./cho.] にお話を伺いました!

 

2019年を振り返ってみてどんな一年でしたか?

白山)2018年頃から本格的に海外にも視野を広げていきたいとメンバーで話していたんですが、それが少しずつ実現していったのが去年でしたね。アメリカで2回、メキシコで1回、演奏ができました。海外の雰囲気を肌で感じることができたしバンドとして足りない部分も見えてきた。自分たちの力を俯瞰してみれた凄くいい年だったんじゃないかな。アメリカは2回ともアニメのコンベンションライブだったので、イベント自体には何万人も来ていたし、僕たちのライブにも2〜3000人の観客がいたので、日本でもなかなかない規模感でライブができましたね。

 

 

2020年の一発目を飾る新作「orbit」の核となるメッセージとはなんですか。

森)まず、自分たちの活動ってなんなのか。それはお金を稼ぐ、音楽を作る、自分のやりたいことを守るということで。これにはいろんな方向へのパワーが必要なんです。今自分たちが直面している問題っていうのは「人に見てもらう」っていう点においては非常に不器用なバンドであるということ。単純にいい作品を作って、それを支持してくれる人が沢山集まってくるっていうのが俺らにとって一番理想的な形なんですけど、なかなかの苦労もあって。どうしたらもっとうまくいくんやろなー、頑張るしかないなぁと。

でもそれって生活や職種は違えど日々感じている人たちが沢山いるんじゃないかと。そういう人たちに届くかなって曲を書きましたね。

 

 

いつもにも増して歌詞が正直でストレートです。この様な歌詞になったのはどうしてでしょう?

森)自分たちは着飾ってカッコよく見てもらう必要性を感じていなくて。自分がありのままであることに美しいと思ってもらえたらいいなって。それは願いなんですけど。やっぱり、不自然なことが多い世の中だと思うので、なるべく自然体でいたいなとは思っていますね。

 

 

タイトル「orbit」にという言葉を選んだのはなぜですか?

森)orbitって軌道とか軌跡っていう意味があるんですけど。自分たちのバンド活動の周期と、お客さんの生活の軌道の周期ってずれていたり、大きさが違ってたりすると思うんです。それでも今偶然、僕らとリスナーの軌道が同じところで重なっていられるっていうことがすごい奇跡的だなと思うし、またずれたとしてもいつかまた回り回って同じタイミングで重なれたらなとも思っていて。たまたま僕らの音楽に出会ってくれたり、楽曲に触れてくれることってすごいことだよなっていう思いからorbitと名付けました。

 

 

奇跡的な軌道の重なり合いでBrian the Sunに出会うリスナーに、音楽を通して伝えたいことって何ですか?

森)自分たちのお客さんと話をする機会があって、「あのバンド好きそうだね」って言ったら、「それよりあのバンドが好きなんですよ」って言われて。その二つのバンドは音楽性的にはすごい似ているんですよ。「なんでそっちのバンドが好きなん」って聞いたら、「こっちのバンドの方が“距離近いんで好きなんです”」って。“距離”かぁ。それって音楽じゃなくねって思ってしまう。

聴いてもらえるならなんでもするっていうバンドは山ほどおって、それはそれでかっこいいとは思うんですけど。でも俺は聴いてもらえるならなんでもやりますとは思わんし、聴いてほしい人だけに届けたいっていうわがままなヤツなんで。やっぱ、愛情をもって聴いて欲しいし、いっぱい聴き込んで欲しい。

だから誰が聴いても耳触りが良くて、舌触りも良くて美味しいみたいな曲は作らないです。奇跡的にBrian the Sunを好きと思ってもらえた人に届く曲を書きたいなって思ってるんで。表層的なふわっとしたものじゃなくてテーマもちゃんと欲しいなと思うし。自分の普段考えてることをそのまま書くから、変な言い方だけどリスクもあるというか。自分のモードがそのまま反映されるので嘘つけないし、みたいなことは考えていますね。

 

 

今伺ったバンドの在り方って、皆さん自身の音楽の聴き方からも影響があるのではと感じました。お二人は普段、音楽を聴く時に気にしている点ってありますか?

森)聴けば聴くほど音楽って作り手の誠実さが大事やなって思うんです。どこまで本当でどこまでが嘘なのかとか。分かりやすく言うと、リズムを編集で揃えてますとか、オートチューン使ってますとか。それって「ばれへんでしょ」であったり、「これが好きやねん!」みたいないろんな思いがあると思うんですけど。それをリリースした時に「この音が作りたくてこうなってます」なのか「結果的にこうなっちゃっいました」なのか。そこの部分って聴けば俺はわかるから。誠実で努力の結晶が見える音源を聴いていたいと思いますね。

白山)僕はわりと天気・季節とかでこれ聴こうとか思いますね。日本のバンドだったら歌詞から季節を汲み取れるんですけど、歌詞の内容がわからない洋楽でも、そういうのってあるんですよね。

森)あるある!

白山)全然違うことを言ってるのかもしれないんですけど、NEYOの「So Sick」っていう曲を雨の日に絶対聴くんですよ。僕はDJの活動もしてるので、そんな感じで曲の雰囲気とか気になった曲をサブスクで探して直感的にプレイリストに入れまくったりしてますね。

森)全然聴き方ちゃうな〜。そう、サブスクが主流になっていろんな時代のいろんな音楽が聴かれる中で僕たちロックバンドが太刀打ちして行かないといけないのがそこで。みんなのイヤホンって低音がめちゃくちゃ再生されてるんですよ。でもロックバンドって低音の音楽じゃなくてミドルレンジに美味しいところが詰まっている。でもビリー・アイリッシュとか海外のギターロックバンドとかはめちゃくちゃローがデカくて、現在の音楽を聴く環境に対して意識がすごく高い。音数による聴感上の音量とか、そう言うところを気にして音楽を聴くと自分たちの不利な点が見えてきますよね。それをどう乗り越えていばいいかなと。技術的なことなのか、ギミックなのか、歌詞・歌唱力なのか。いろんなところに必ず出口があるし、それを探しながら音楽は聴いていますね。

 

 

沢山のお話ありがとうございました。最後にガクシン読者に一言お願いします。

白山)是非、Brian the Sunをコピーしてください!学祭にも出たいです。よろしくお願いします!

森)いろんなことを考えながら音楽を作っています。是非、興味のある方は聴いてください!

 

ありがとうございました!


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