大学生による大学生のためのWEBマガジン
「気づいたらあなたを虜にマカロック」
今注目の4ピースバンドマカロニえんぴつのはっとり(vo/gt)さんに音楽は勿論のこと、学生時代のエピソードについてもお話を伺いました!!
バンド名「マカロニえんぴつ」の由来を教えて下さい。
哲学の言葉で「ドーナツの穴を食べる」という有名な言葉があるんですけど。それに似たようなもので、「空洞」っていう白紙に近い“ないもの”である無の象徴に対して、“ないもの“に書き足していく存在の象徴”えんぴつ“、その二つを掛け合わせて無を有にしていくといったイメージで名付けました。哲学的にという意識はないですけど、僕は日常的にあらゆるものに対してその裏側が気になってしまったり、言ってみればちょっと捻くれてるじゃないですけど、そういう癖があるので何となくそういう意識は作詞に繋がっていたりするのかなとは思います。
メンバー皆さんそれぞれ音楽の趣味は異なりますが、交わる共通点はありますか。
本当に趣味が全員で合うものっていうのはないかもしれないですね。共通しているものを挙げるとしたら、マカロニえんぴつというロックバンドに所属する中で、「わかりにくいもの」、「ポップじゃ無いもの」、「キャッチーじゃ無いもの」はよしとしないという感覚は共通していると思います。
今作のテーマとして「LiKE」を取り上げた理由を教えて下さい。
アルバムタイトルの「LiKE」には、「〜みたい」っていう意味と、「〜が好き」っていう2つの意味のが含まれています。YouTubeのMVのコメント欄でよく見ると思うんですけど、みんなすぐ「〜っぽい」って例えるじゃないですか。でも、マカロニえんぴつはそれを否定的に捉えてはいなくて。「〜っぽい」で入るのは逆にありがたいというか、そのきっかけになっているわけですからね。「〜っぽいよね」とか、「あれのパクリじゃん」とかそんな入り口でも全く構わないので、そうして聴き始めた人もこのアルバムを聴き終わった頃には、「あれっぽいけどあれとは違う確かなものがこのバンドにはあるなっ」て気付いてもらえて、いつの間にか「〜みたい」のlikeが「好き」のlikeに変わっていく流れがイメージできるアルバムになったので、曲が出揃ったタイミングでこのタイトルをつけました。それから、これまでも僕らは洋楽のオマージュフレーズであったり、雰囲気を真似た愛のあるオマージュっていうのをして来たんですけど、それがそもそもlikeじゃないですか。自発的にやっていて、わかって欲しいlike。そういう僕らのlikeも詰まっているから、このアルバムにはしっくり来るなと思っていますね。
マカロニえんぴつの入り口として「LiKE」を捉えると1番最初の作品につけても良いタイトルだと思うのですが、なぜこのタイミングでこのテーマを取り上げたのですか?
最初の頃も音楽的には幅広くやっていたし、「〜っぽい」とかはとく言われていたから確かに1作目でもよかったと思うけど、その頃は「〜っぽいよね」って言われることに否定的だったんですよ。「じゃあ、どう違うの?」って言われた時に答える言葉も用意できなかっただろうし、バンドの方向性がメンバー内で定まらずに活動していた時期が割と最近まであったので。だから、「〜っぽい」のlikeに対して「好き」のlikeに変えさせる自信が無かったと思うんです。でも今は、メンバー脱退を経てみんなで曲を作るようになったりとか、SG「レモンパイ」のリリースツアーが16箇所公演中13公演も完売したりと自分たちの音楽を必要としてくれる人が増えてきて、やっと自分らの音楽に自信が持てて来たというか。そういうタイミングで作ったから胸を張って他とは違うって言えてるのかも知れないですね。今だからこそ付けられるタイトルです。
学生時代に経験しておいてよかったこと、逆にやり残したなぁと後悔していることについて教えて下さい。
ちゃんとした恋愛を初めてしたのが高校1年か2年の時だったんですけど、その時期にちゃんと失恋をしてよかったなぁっていうのはありますね。純粋に人のことを好きになるじゃないですかあの時期は。今思うと美しいなと思いますけどね。なかなかね、2回目以降の失恋は話が変わってくるので笑。ああいう失恋をしたのはよかった。今やっていることと繋がっているかな、マカロニえんぴつは失恋の歌が多いのは、自分の上手くいかない恋愛の傷を癒してくれるじゃないけど、自分のために歌ってくれてる歌なんだって思えたからですね。マカロニえんぴつの曲は上手くいかない時により多く聴いて欲しいですね。失恋の数、傷ついた数だけ次出会う人に優しくできる気がするので、失恋をしてよかったなと思います。やり残したことと言えば、もっと沢山本を読んでおけばよかったですね。ボキャブラリーが少ないので、今沢山読むように努力はしています。
最近読んだ本で印象に残っているものはありますか?
原田宗典さんの「時々、風と話す」っていう短編集です。僕、短編集が凄い好きなんです。短編だとすぐ終わるし読みやすいじゃないですか。で、且つちゃんとオチがついているっていうのがすごい好きで。「時々、風と話す」っていう本は、どの話にもバイクが出てくるんですよ。原田さん自身バイク乗りで、あとがきにバイクがなぜ魅力的なのかっていうのをね、3つの要素で語るんです。危険な乗り物であるということ、2人しか乗れないということ、バイクがあるだけでそこに何かストーリーが生まれるみたいな。男のロマンをその本に僕は感じましたね。僕はバイク乗らないんですけど笑。
短編集の要素は楽曲の中でも活かされていますか。
それはあると思いますよ。曲の中にもやっぱりオチがなきゃいけない。僕、落語とかも好きなんですけど、落語も短編集も絶対にオチがあるし。星新一さんの「ショートショート」とかもう、やられたぁってなりますよね。歌においても、1番で言ったことを、解決なりオチなりを2番でつけないとストーリーになっていかないんです。そのオチのつけ方みたいなのは、短編集から学びましたね。
2019年にマカロニえんぴつとして挑戦したいことはありますか。
「LiKE」がちゃんと評価されたら、このアルバムではやっていないジャンルに挑戦したいと思っています。今作の最後の曲「STAY with ME」はちょっとエレクトロなイメージの曲で、シンセベースが入ったりと、これまでの僕らにはないの曲調だったので、そういうエレクトロな方向にすごい興味がありますね。もっと突き詰めた電子的な打ち込みのドラムであったりとか、そういういう楽曲制作に挑戦してみたいです。
最後にガクシン読者に一言お願いします。
僕は勉強とかをあんまりせず、好きなものに逃げて来たんですけど。それが今ちゃんとCDを出して、自分の仕事・生業にできているので、やりたくないことを無理して続けるような場面があったら逃げても構わないと思っているんです。でも、その代わり何か好きなものに逃げるんだったら、逃げた先のものを誰もが納得するくらいに突き詰めて仕事にしてみてはどうでしょうか!!
ありがとうございました!!
マカロニえんぴつ /「LiKE」
「〜~みたい」のlikeで結構です、それすぐ「好き(like)」に変わってるので、
このアルバムを聴けばあなたも思わずトリコになってしまいます。
「LiKE」
2019.2.13 ON SALE!!!
M-1 ワンルームデイト
M-2 トリコになれ
M-3 ブルーベリー・ナイツ(リード曲)
M-4 働く女
M-5 STAY with ME
[CD] ¥1,500(税込)
マカロニえんぴつofficial homepage http://macarock.wixsite.com/home
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