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ミュージックインタビュー

『リアクション ザ ブッタ』インタビュー

「歌を届ける」

その想いを胸に言葉の伝え続けて今、彼らが斬るリアルな「自分自身」とは。

 

リアルは未来への希望ばかりじゃない。綺麗事だけじゃいられない自分の嫌な所を含めて、背伸びせず同じ土俵で「傷を舐め合って」くれる、そんなバンド。一目惚れ、ならぬ「一耳惚れ」した。2部作の後編「Wonder Rule」では疾走感のあるロックサウンドからしっかり聴かせるバラードまで幅広く収録。楽曲のお話から学生時代のことまで、今よりもっとリアクションザブッタが好きになるインタビュー!

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 前作「Fantastic Chaos」と今作「Wonder Rule」は2部作。前編制作時からこれは決まっていましたか?

 

佐々木(Vo.&Bass):そうですね。その時から2部作で作ることは決めてました。

 

タイトルは「混沌」と「ルール」という一見真逆のテーマですが、どんな意味が込められているんでしょうか?

 

佐々木:社会や自分自身を見るときに、「混沌の中からの見る」ことと「ルールという縛られた中から見る」ことを題材に作りました。対極から見ているけれど、どちらから見ても結局同じだねっていうことを伝えたかった。

 

確かに一見自由だけれど、見えないルールに縛られているかも…。皆さんは生活している中でルールに縛られて窮屈だなと感じることはありますか?

 

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佐々木:バンドをやっているから、社会人の方よりルールに縛られている実感は少ないかなと思う。でも逆に、ルールがないからこそ不安になる時があるというか。大学生までは、決まった時間に授業があるし起きる時間も決まっていたけれど、そういう生活のリズムも自分で作り出さなきゃいけないし。ルールに縛られないからこそ悩んだりすることはあるかな。

 

木田(Gt.&Cho):学生時代はルールがあるからこそ「できること」「できないこと」がはっきりしたけれど、自分でルールを作って動いている今はそれを考えるのは難しいですね。

 

大野(Dr.):うん、同じく生活の面ではルールがないと破綻しちゃうかも。

 

規則があるうちは自由がいいと思うけれど、なくなったらルールがない生活が不安になるんですね…。皆さんの生活面でのマイルール(ルーティン)をお聞きしてもいいですか?

 

佐々木: かっこいいこと言いたいけど(笑)。うーん、毎日必ず寝る前にビールを飲むことかな(笑)。明け方に帰ってきても、ビールを1杯飲む。やっと1日終わった感じがする。ルールではないけど、飲むことで1日を終わらせるきっかけにしているのかも。

 

木田: 1日1時間は必ずギターを弾くこと。去年やるって決めてから、毎日続けています。

 

大野: え…頭から洗う、とか(笑)?。そんで身体は腕から行く、くらいしかない(笑)。

 

ルーティンっていきなり聞かれても思いつかないですよね…!今回のアルバムの中で、自分のパートでのおすすめ曲を教えてください!

 

佐々木: ベースでいうと「Wonder  Rule」。スラップをやりながら歌う、というのが他の方があまりやらないので、聴きどころかな。

 

木田: 「Wonder Rule」はスリーピースでできないようなアレンジしてみたくて挑戦した曲です。だからイントロはギターが3本なんですよ。ライブを考えずにトライした曲。今までの僕らを知ってた人からしたら、「ん?なんかいつもと音数違う!」ってびっくりするだろうし、初めて聴いた人には「ほんとに3ピース?」っていう面白い印象を与えられたんじゃないかな。

 

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イントロからめちゃめちゃテンションあがるしカッコいい!友達に音源聴かせた後3ピースだって言ったらびっくりしてました(笑)。ライブで聴くとさらにかっこいいんですよね!ボーカルとしてはどうですか?

 

佐々木: 歌なら「SHOW」かな。自分の兄に向けた曲で、気持ちが入ったのでレコーディングも泣きながら(笑)。それほど歌に気持ちが乗った曲。

 

素敵ですね…!結婚式で実際に披露されたんですか?

 

佐々木: 3人でアコースティックスタイルでやったんですけど、俺が途中から泣いちゃって、歌詞があんまり届けられなくて(笑)。

 

大野: 声ひっくりかえってたな(笑)。「ひぃえええええ!」って(笑)。今日もライブでやるけど、大丈夫(笑)?

 

佐々木: 今日は大丈夫(笑)。さすがに慣れてきた(笑)。

 

大野: 僕も「SHOW」が一番。普段のレコーディングでは何テイクか重ねていくんですけど、この曲だけは結構すんなり終えられて。この曲を伝えたいっていう相手がはっきりしてて、この人のために演奏するっていうのがはっきりわかる曲は演奏しやすいんだなってことをこの曲で学びましたね。

 

アコースティックバージョンだとより言葉が届くでしょうね。相手を想う気持ちが音源にもたっぷりこもっているのが耳から分かるので、一回聴いただけで言葉が心にスッと届きました。曲作りに関してですが、デモ段階での完成度はどれぐらいですか?

 

佐々木: ベース弾き語りっていう謎の状態で2人に渡します。ワンコーラスを歌詞込みで何個かストックしていって、共有していく感じ。

 

今回曲作りに難航した楽曲はありますか?

 

木田: 「何度も」は最初バラードだったけれど、バラードだと伝えきれなくて。テンポを速くしてみたり、またバラードに戻したりを何回もしました。そうしているうちにコージロー(大野)が加入し、「早いほうがいいんじゃない?」ってコージローの意見をもらって。

 

佐々木: 前作の時からデモはあったんですよ。でもなんかハマらなかった。試行錯誤して完成した作品ですね。

 

話は変わりますが、皆さんが音楽を始めたきっかけを教えてください。

 

佐々木: 幼稚園の頃から中学2年生までエレクトーンをやっていました。エレクトーンは右手でメロディ、左手でコード、足でベースを踏むんですけど。

 

木田: あ、3ピースだ(笑)。

 

佐々木: (笑)。歌自体はずっと好きだったかな。で、中学1年でベースを始めました。4つ上の兄がバンドをやっていて、「俺はギターだからお前はベースな。」っていう謎の宣告をされて買って(笑)。

 

木田: 僕は幼稚園の頃からバイオリンをやっていたんですが、中学2年でサッカー部を頑張りたくて辞めたんです。でも辞めた時期にサッカーで怪我ばっかりして、他に夢中になれるものがないかを考えた時に、佐々木とプレステ2のギターの音ゲーにハマりまして。ギターカッコいいなって思ったのが始めたきっかけですね。

 

佐々木: あはは(笑)!懐かし!めっちゃいいんですよ、あれ。上から音が流れてくるのをコントローラーで操作するんですけど、曲が良くって!

 

木田: ずっとギターソロなんですよ。ギターのカッコいいところが集約されたゲーム!興味をもってからはBUMP OF CHICKENやRAD WIMPSを聴き始めて、父の持っていた洋楽ロックも聴き始めました。

 

大野: ドラム自体は兄貴の影響で中学2,3年の頃からかなあ。バンドは高校1年生から。その頃からライブハウスには入り浸ってましたね。

 

皆さん学生時代に音楽を始めたということですが、思い出深いエピソードはありますか?

 

木田: 高校2年生の時に、高校生全国大会で優勝してROCKIN JAPANでトップバッターに出られたことですね。

 

佐々木: 中学生の頃、音楽の先生に「ギターとかベースを学校に持ってって昼休みに音楽室で音合わせたいんです」って交渉したんですよ。そしたら「表沙汰にギターとかベースを学校へ持ってくるのは厳しいから、私が登校前に家の付近でベースを受け取ってあげる」って言ってくれて。わざわざ先生が僕の家の付近まで来て音楽室に運んでくれてたんです。なんか、すごくいい思い出深いですね。

 

逆に、「ああ、これやっておけば良かったな」ってことは?

 

木田: 恋愛かな(笑)。

 

佐々木・大野: 甘酸っぱ(笑)!!

 

木田: 他校の子と付き合っていたけど、お互い部活が忙しくてあんまり会えなかった。制服デートとかしたかったですねえ。学生に戻れたら青春したいなあ。

 

佐々木: サークルに入ってみたかった。ヤンヤヤンヤしてみたかった(笑)。あ、あと「あの先輩うまいな!」みたいなことを言われたかった(笑)。

 

大野: 授業にちゃんとでることかな。まあ出てたけど(笑)。大学生になるとちゃんと出なくてもよくなるでしょ?ルールに縛られているうちにルールを楽しめればよかったなあ。

 

大野さん加入のきっかけは?

 

佐々木: 一番初めにあったのが、一昨年の1月ぐらいにあったバンドマンの新年会。その時は挨拶だけはしてて。その何か月後かにドラムが抜けて、共通の知り合いのバンドマンに改めて紹介してもらい、半年間のサポート期間を経て去年2月に正式にメンバーになりました

 

今回が加入後初めての作品ですよね!皆さんの音楽は一度聴いただけですっと入ってくるし、一度で好きになっちゃいます!バンドとして大切にしているものは?

 

佐々木: ありがとうございます。大切にしていることはもう明確に、「歌をしっかり届ける」ことですね。サウンド面やアレンジ面にはいろんなものを詰め込んだけれど、最終的に歌を聴かせるのが一番大事。ちゃんと歌が聞こえてくる、メロディがはいってくる、そういう部分を大切にしていきたいです。

 

スピード感のある曲でも歌詞がしっかり伝わってくるところがすごいです。そういう言葉とか想いをライブで伝える時、大切にしていることはありますか?

 

佐々木: なるべく真実として受け取ってもらいたいから、身の丈にあってないことを言わないようにしています。「この人嘘言ってんな」と思われたくない。「この人ほんとにこのことを思って言ってるんだな」っていう言葉を言いたいし、それが届けば歌詞としてその人に伝わるかなって思うので。結果的には受け取る側の問題だろうけど、真実として受け取ってもらえるようにしています。

 

だからこそライブでも心にまっすぐ刺さる言葉が歌詞になってみんなに届くんですね。ライブを見てますますブッタの音楽が好きになりました。

音楽以外で影響を受けているもの、またはハマっているものはありますか?

 

佐々木: 僕はお笑いが大好きで。二大巨塔はサンドウィッチマンと東京03です。コント、漫才が好きなんですけど、ラジオも好き。「バナナマンのバナナムーンGOLD」と「おぎやはぎのメガネびいき」はよく聴いてます。日々の自分の喋りに影響をうけているかも。

 

木田: うん、物まねはよくするよね(笑)。

 

佐々木: 2組とも物真似するタイプの方々ではないけどな(笑)。まだライブには行ったことないので今年こそ行ってみたいな。

 

大野さんはどうですか?

 

大野: うーん、これといってないかも。卵かけごはんとか?

 

木田: 帽子とかは?

 

大野: ああ、服は好きかも。この2人よりも、服好きかも(笑)!

 

佐々木: 馬鹿にしてんのか(笑)。

 

大野: 2か月に1回は靴とかも変えたり。このスカジャンもお気に入り!

 

木田: 僕は漫画とアニメ映画かな。バンドの曲をアレンジする時「こういう世界観と合ってるな」み

たいな感じで考えたり。。

 

大野: ドラマとかアニメ見てても、「これ音楽につながるんじゃない?」って考えることない?

 

佐々木: どうだろう、割と俺はあんまり考えてないかも(笑)。そういう風にみるとあんまりおもしろくないから(笑)。

 

大野: なんかね、俺はそうやって見てるかも。心情的な部分で。こういう心情の時はこうなんだ、みたいに。

 

佐々木: 映画観てモチベーションがあがることはあるかなあ。「セッション」っていう映画があって。ジャズの学校の生徒が鬼教師にめちゃめちゃ言われて血が出るまでドラムをやり続けるっていうストイックなストーリーで。ああこんくらいやらなきゃダメなのかなって思ったり(笑)。

 

大野: それ、ドラマー4人で観に行った!最初は「楽しみだねえ!」って感じだったのに帰りは全員無言でした(笑)。「さて…個人練入るか!」みたいな(笑)。

 

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ストイックな作品ですね…一番ストイックなのはどなたですか?

 

佐々木: 練習面では木田かな。僕は煩悩にまみれているんで(笑)。

大野: いや、一番(俺が)煩悩にまみれているかも(笑)。

 

メンバー内でぶつかったりすることは?

 

佐々木: 最近はあんまりないかなあ。火種がつきそうになったら消すようにしてる(笑)。何年か前は喧嘩してたけど、段々喧嘩になりそうな時が分かるようになってきて。喧嘩になる前にお互いに引いとこうかっていう雰囲気になるかな。特にここ(自分と木田)が。

 

木田: 喧嘩というか言い合う議論だけど、お互い冷静じゃないから自分の意見を言い合ってお互いに聞けてないあまり意味のないものだったんですよね。意味ないって気づいてからは、冷静になってから話し合うようにしています。

 

佐々木: コージローと僕か木田が言い合いになることはほぼないです。コージローは中立で冷静(笑)。

 

大野: まあ怒んないしね(笑)。「まあまあまあ、怒ったら疲れちゃうじゃん!」みたいな(笑)。

 

佐々木: まあその感じが「腹立つなあ!」って時もあるけど(笑)。

 

今年の目標を教えてください!

 

佐々木: ライブのキャパシティを上げていきたいかな、着実に。今製作中ですが、楽曲に関しては音楽性や向かう先を定めなおして、より歌詞や歌の情景をだして曲でのし上がりたい。ジャンプをするための楽曲のクオリティをあげていきたいです。

 

新盤楽しみです!大阪にもたくさん来てくれたら嬉しいですね。大阪でライブをしたい場所はありますか?

 

木田: BIGCATに出て、大阪でお世話になっている人を2階席にぎっしり埋めたい。そんな幸せなライブしたい(笑)。

 

大野: 大阪だったらなんばHatchかなあ。

 

佐々木: フェスだったらRADIO CRAZYかな。サーキットフェスは去年初めて出たので、その中でのキャパをあげたいな。あ、あと8月に初めてやった大阪城野外音楽堂は開放的でよかったですね。

 

BIGCAT、なんばHatch、野音でのワンマンライブ期待してます!では最後に読者の学生に向けてのメッセージをお願いします!

 

木田: 今できないことも、毎日少しずつやっていれば必ずできるようになる。ギターは難しいテクニックも積み重ねで必ずできるし努力次第だと思う。最初からあきらめず取り組み続けることで叶うことだと思います。

 

大野: たくさん恋愛をしましょ(笑)。出会いを大切にしてほしいなってことですね。学生時代の友達とは一生つるんでたりする。将来の仕事の役に立つとかの利害関係や人脈じゃなく、学生時代に出会う人は一生の友達になったりするから。いろんなところに顔出したりね。

 

佐々木: 何か一つ、周りの人と違うことをやり続けることってすごく大事だなって思います。「自分しかやってないこと」をコツコツと。大学だったら4年間自分だけのものを続けるだけでそれが武器になると思う。なんでもいい。「ライブを年何百本見た」でもいい。そこから何を得るかはその人次第だけど、その結果は変わらない事実で自分だけの武器になるから。

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ありがとうございました!


リアクション ザ ブッタ

2008年、佐々木直人と木田健太郎を中心に埼玉にて結成。

2009年、高校在学中にTEENS ROCK IN HITACHINAKAで優勝。大学入学後に上海万博、韓国YOUTH ROCK FESに出演。

2012年、ミニアルバム「イチニツイテ」リリース。地元のTOWER RECORDS浦和店で、デイリーチャート1位を獲得した。

2014年、「RO69JACK 14/15」で優勝、COUNTDOWN JAPAN 14/15で、ライブアクトのトップバッターとしてステージに立つ。

2015年6月、Dr.本間がバンドを卒業。サポートメンバーを加え活動を止めることなく、2016年11月「Fantastic Chaos」を3年ぶりに全国リリース。リリースツアーを開催し、ファイナルとなる初の東京ワンマン(TSUTAYA O-Crest)をSoldoutさせる。

2016年2月Dr.大野宏二朗が加入。現在の体制に至る。これまでに5枚のMini Albumを発表。瑞々しいメロディと、ダイナミックに広がるサウンド。歌のメッセージがひしひしと伝わる佐々木のヴォーカルとバンドの堂々たるステージングは、ライブハウスに収まりきらないスケールを感じさせる。野望は、地元・さいたまスーパーアリーナを即完させること!

 

 

 

 

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