大学生による大学生のためのWEBマガジン
愛だとか、人情だとか、仲間だとか、そういう綺麗事が綺麗事にならない言葉の説得力は、ずっと変わらず積み上げてきた彼らの真摯な人との向き合い方があるからだと思う。10周年として2016年を踏みしめたSUPER BEAVERは、その積み上げてきたものに優しく重ねるように2017年のシングルを発表。飛躍の1年を経ても、今まで重ねてきたものを変わらず伝え共に歩み続ける、その証明となるであろう今回の作品を通じて、SUPER BEAVERのVo.渋谷龍太さんとGt.柳沢亮太さんの魅力に迫ってきました!
「美しい日」というのは綺麗なタイトルですね。
柳沢(Gt.): 10周年イヤーのファイナル、ZEPP DIVERCITY でのワンマンライブの終演後、自然と渋谷が「美しい日だった」と言った、その言葉からのタイトルです。ここ最近、人と人との繋がりをすごく大事にしてきたバンドだなって感じるんです。お客さんもバンド側もスタッフの方も同じものを共有したいと思ってて。今回のワンマンでも携わってくれた方々が沢山いたし、今までで一番多くの人と共有できた、そんな風にひとつのことを共有できたことを、渋谷は「美しい日」という言葉で表現したと思うんです。これはバンドの核になる部分だから、これからも大事にしてきたいし、もっともっと広げていきたいと思って作った曲です。
特別な時は、特別な日にしか起こるんじゃなくて、日々大事にしてきたものに気づくところで生まれるんですね。
柳沢: そうですね。毎日毎日の繰り返しの中であるものであって、それに気がつけば大事なものの見え方は変わってくると思うんです。ライブもステージによって何か違うわけでないので、あの日のライブも聴いてくれているあなたに向けてまっすぐに届けるっていう根本的なスタンス通りにいつもと同じ気持ちで臨んだ。だけど繰り返し毎度やっていく中で、こんなうれしいことがあったっていう、思わず特別になる瞬間っていうのがあった。幸せってそういうところに潜んでいると思うし、それを大事にしたいと思うようになりました。
人と人との繋がりを大切にしてきた中で感じた、人と分かち合うことの喜びに気がつかせてくれます。人と分かち合うことに関して、前作「27」の中の個人的に大好きな曲「秘密」で、〈歓びを分かち合うために 幸せを分かち合うそのために まずは自分のこと愛せなきゃ〉という部分がありますよね。ストレートにお聞きしますが、お二人は自分を愛せていると感じますか?
柳沢: 自分のことを愛すること=自信を持つこと だと思うんです。何かしらのステータス(頭がいい、かっこいい、足が長い…)だけじゃなくて、自分の生き方に後ろめたさがない、胸張って生きているかどうかじゃないかなって思います。かっこ悪いからとか、自分の嫌なところが嫌とかじゃなく、それに向き合って「こうしていきたい、こうしていこう」と自分で考えていくことが自信になるし、自分を愛せることに繋がるんじゃないかな。そういう意味ではSUPER BEAVERをやってる自分は胸張れるので、自分と関わってくれる人を大事にしたいし、自分を愛せていると思います。
渋谷(Vo.): 自己愛も人への愛も表裏一体のものだと思う。俺は自分の周りの人のことをすごく好きだし、その人たちと共有してきた時間が今の自己を形成してると思ってます。本を読んだり映画を見たり芸術に触れたり、そういうもので培ってきたものはあくまでインプットでしかなくて。アウトプットした時に誰と一緒にいたかが大事。この人と一緒にいたいと思う人と一緒に居れたこと、また、おこがましいけど相手からもそう思ってもらったこと。メンバー、スタッフの方、見てくれる人たち、両親、友達、そういう近くにいてくれる人たちに、俺は絶対的に自信を持ってるんです。そういう人たちと関われている自分、一種またその鏡にもなり得ることを考えると、「えー自分なんて」って言ってられない。後はステージに立って人に何かを提示する、表現する立場だから自分に自信がないと何か発信してはいけないという使命感もある。そもそもそういうことが好きだしできているというし、自分を愛せていると思います。
まさに〈人に生かされて 人と生きている〉ことが自分や周りを愛することと繋がっているんですね。自己愛に関連して、自分がこれは人には負けないぞ!と思うことはなんですか?
柳沢: ずっと本を読んでいられるってのは、よく渋谷に言われる!
渋谷: こいつの集中力はすごいですね。
柳沢: 渋谷ほどではないけど、小説とか漫画とか好きでよく読むんです。1日で2,3冊ずっと読み続けられる。7,8時間ぶっ続けで読んでられる。
渋谷: 本が好きだからこそ分かるんですけど、そういう集中力ってドハマりした時にならわかるんですよ。でもこいつは高いアベレージで毎回、外の声が入らないくらいガッと入り込めるのがすごいなと思います。
柳沢: 漫画だと特にそうかも。
渋谷: 立ち読みしてる時はめんどくさいんだけどね(笑)。
柳沢: 一巻から何十巻っていうのを大人買いしたことがあって。ここ数日楽しいぞってワクワクしてたのに、結局夜中まで一気に読んじゃったんですよね(笑)。
1日続く集中力…。すごいですね!渋谷さんは?
渋谷: 貪欲さは人よりあると思う。好きなこととか魅力に感じたものに対する貪欲さね。音楽に関してだけじゃなく落語も映画も、好きなものはとことん研究します。
今一番はまっているのは?
渋谷: ここ2,3年はずっとね、落語にはまってます。新宿の末廣帝が家の近くにあるのでしょっちゅう行ってるし、DVDやyoutubeでも見てる。寝る時も、暇があれば聞いてますね。
落語をご自身で挑戦してみたいと思うことはありますか?
渋谷: やってみたいなと思うことはあります。落語に対しての憧れというよりも、人前で何かをやることに対して、芸の突き詰め方が何より突出しているし、どういう世界観で、何を思ってこの人達はやっているんだろうと思うから、その世界を一瞬でも見て見たいからやってみたい。自分自身に落語の才能は期待してないけれど、落語をされる方に一瞬でも共感をできたらなと。
CDのボーナストラックに落語、面白いですね。
柳沢: あははははは!
渋谷: 俺が「寿限無 寿限無」とか言うの(笑)?それすごいなあ(笑)。
今の世代の子が落語を聞くきっかけになるかもしれませんよ(笑)。
〈人と人との繋がり〉について2曲目の「全部」ではよりストレートなメッセージで表現されてますよね。その中でも「理屈じゃないよ 感情は」という部分が気になったのですが、感情とうまく付き合っていくコツはあると思いますか?
柳沢: 歌詞の通り、感情は理屈じゃない、だけど感情が生まれる理由はあると思うんです。楽しいと思った時になんで楽しいと思ったのか、それを考えると上手く付き合えるかな。感情を生まれた理由を考えるとあいつと一緒にいたからかなとか、そこにいた人の存在に改めて気がつくんですよね。
渋谷: 僕は自分は感情に従順に従って生きてるなと思ってますね。理屈じゃない感情と付き合うには、いろんなことを紐解いていくのがいいと思うのは柳沢と同じですね。納得できている感情もスタートに戻ってルーツを探ると「おお、そういうことか」ってなるし、大事かなと思います。
柳沢: 感情の理由の中にハッとするものがあるものがあるんじゃないかなと思って。生きる上でそれは素敵なポイントになると思うんですよね。
紐解いていった先に人の存在があったり、新たな気づきがあったりするんですね。人との繋がりを大切にしてきたバンドの遍歴が先日発売されたDVD「未来の続けかた」と付属の小説に詰め込まれているわけですね。笑ったり、泣いたり、感情の変化いそがしく読ませていただきました。
渋谷: 本を書き始めたのは、10周年で新しく知ってくれた方にもどういう風に我々を提示できるかなって考えたことがきっかけです。こういう経緯があったっていうのを知ってもらえれば距離が縮まるかなと思って、はじめはブログでUPしてたんです。メジャー期編を書いていたときに各所で反響をもらったので、DVDに本をつけてみようとなりました。途中途中、書いて欲しいことや、こんなことあったよねっていうのをメンバーに聞き、書き足しながら作りました。
その後でDVDを見るとなおさら沁みるものがありました。今回のシングルには2度目のZEPP DIVERCITYでの「27」のライブ音源が収録されていますね。ライブスタート部分まで入っていたので、ライブが恋しくなって思わずもう一度ライブDVDを見直しました。
渋谷: まさに臨場感、ですね。リアルを詰めこむためにはいろいろできるけれど、一日あったことのリアルとして、つなぎの部分からフェードアウトしていくことで、よりライブのリアルを伝えられるかなと。個人的に聞いててワクワクします!
柳沢: 2月公開の映画「君と100回目の恋」の挿入歌として使っていただいていることと、この曲自体ここ最近のバンドを象徴する曲なので、ライブ音源を入れることで今のSUPER BEAVERをみてもらえるかなと思って収録しました。
渋谷: この曲が入っていることで、映画で気になった人が最新シングルに手にした時に俺たちの最新の歌と現在の俺らがリンクできるだろうし、ライブを見たことがない人にとっても知ってもらえるきっかけになるかなと思います。
10周年ということでライブ、リリースと特にお忙しい一年だったと思いますが、健康や体で気を付けていることはありますか?
柳沢: 25歳で入院してからは、お酒の量は気をつけてます…。
渋谷: 俺は18歳からずっと走ること、腹筋はしてますね。後、暴飲暴食はするけれど食事バランスだけは気をつけてます。野菜とタンパク質は絶対食べるようにしてる!
料理はされるんですか?
渋谷: 僕と上杉は調理師免許持ってます、が僕は料理しないです(笑)。寂しくなるのでね(笑)。1人でごはん、食べるの苦手で…。
柳沢: 僕は料理しますね。1人でおうどん食べる時、鍋焼きうどんにしてみたり(笑)。
お二人とも食べるのがお好きなんですね!関西で一番美味しかったものはなんですか?
柳沢: かすうどん!一回しか食べたことないけど美味しかった記憶があるなあ。
渋谷: 俺はねえ、ポッキー。高級ポッキー、あるでしょ?梅田のデパートにしかないやつ。すごく美味しかったから取り寄せようとしたらもっと高くって諦めたけど。
柳沢: そんなに好きなの?誕生日に買ってあげるよ(笑)。
渋谷: ほんと?普通に喜ぶ俺が見られるよ(笑)!
ポッキー、気になりますね…!健康に関連して、リフレッシュはどんな時間にできていますか?
渋谷: 喫茶店にいる時かな。読書とか、文章を書いたりしてます。eggmanフリーペーパーで毎月、記念日を引っ張ってきてショート×ショートを書いているんです。フィクションはまだ点でしか、線として書いたことはないですね。
渋谷さんのフィクション作品、期待しております!柳沢さんはいかがですか?
柳沢: 僕はお酒ですかね。特別な趣味とかはないので。渋谷と真逆で、幅広く楽しんで突き詰めようとは思わないタイプなので、目の前にあるものを人並みに楽しむ。カフェはよくいるけど、その時間は何かを生み出さなきゃって思うんで、リラックスはしてないかな。お酒を飲んで人と話をしたりしている時間が好きですね。
渋谷: 見てりゃわかるもん(笑)。ああこいつ今ストレスなんてないんだろうなって(笑)。でもそこまで持っていくっていうのはすごいですよね。使命感すら感じる(笑)。
お酒は人と飲むから楽しいんですよね!
ところで、今回の春のリリースツアーは岡山、東京、大阪ですね。うち2か所は野外ということで。
渋谷: 1ヵ所ずつこだわりがあるんです。まず岡山は、アルバムツアーですごく早く売り切れたんですね。その時に3倍キャパの場所があいているからどうかと提案してもらったんですけど、そこが今回やるKINGDOMだったんです。それをチケットをすでに取った人に対して聞いてみたら、今のままのキャパのライブハウスで見たいと行ってくれた人が結構いて。でもどこかでリベンジしたいと思って、今回は最初にこの場所を持ってきました。日比谷野外大音楽堂は個人的に、バンドマンの聖地だとずっと思ってたし、個人的に憧れでずっとやりたかった場所で!ファイナルは、僕ら関西にかなり来ているけれど、今までほとんど東京でファイナルがやってきて、一度も関西で関西でファイナルをやってなかったので、それを大阪城野外音楽堂でやったらおもしろいんじゃないかと決めました。
野外、最高です…!特に春、季節も空気感も最高のロケーション!
渋谷: ほんとに!野外でのロケーションは箱でだせないし、そこに宿っているものは強いと思う!あと、椅子席だし、開放的でライブハウスに行ったことない人にとって入りやすい場所かなと。ライブハウスはアンダーグラウンドなディープな印象もあると思うんで、垣根を広げてくれるのではと思います。
野外でのライブやライブ音源を通じて、ライブの魅力に気がついてくれる人が増えたら嬉しいですよね!SUPER BEAVERのライブを見ていて思うのは、言葉の奥にある気もちとか、意味が実感としてみんなに伝わっていて、一緒に歌うというより客席が自分の声として歌っている感じがするんですよね。それはステージからも感じられますか?
渋谷: それをやりたくて、柳沢にそういう曲を作ってくれと言ってきて、最近それを意識した曲になっていますね。
今回もクラップや一緒に歌える箇所が初見でもわかりやすくなっていますよね。
渋谷: 声をあげたり、やってみようと思ってやる自発的行動がいろんな場所で同時多発的に起きるって言うのは柳沢が考える曲のテーマ「多幸感」とも繋がっています。その時間を共有できている自覚を、さらに増長できる仕掛けになっていますね。自分で動けたことは自信にもなりますし、さらに同じチームとしてこの日を一緒に作ったっていう実感もできますし。
全てが〈人と分かち合う歓び〉に繋がりますね!では最後に2017年の目標を教えてください!
柳沢: 2016年は初めてのことも未だに沢山経験しました。でもそれって健全なことだと思うんですよ。2017年もそれに続いて、そこで生まれる歓びを共有していきたいと思います。そしてその渦を大きくしていきたい。何かが特別変わるわけではなく、2016年の上に2017年があればいいなと思います。
渋谷: 欲張って貪欲でいたいしありたいと思います。何かに追われて、ではなく「楽しかったからもっとやりたくなっちゃった!」っていう欲張り方をしていきたい。そして同じくその輪を広げていって共に大きくなりたいです。
ありがとうございました!
SUPER BEAVER
東京出身の4人組ロックバンド。
メジャーデビューから自主レーベル設立まで様々な経験をしつつも、2015年4月1日に結成10周年を迎え、同日にフルアルバム『愛する』を発売し、アニメ〈ばらかもん〉OPテーマとなった「らしさ」は、YoutubeでのMVの再生回数が500万回を越えるなど、現在のレーベル[NOiD]に所属してから人気が再熱。2016年1月~3月には3ヶ月連続でワンコインシングルをリリース。10周年を記念したワンマンライブは、4月10日Zepp DiverCityにて開催されソールドアウトを記録。そして、6月1日にフルアルバム「27」のリリースを迎え、オリコン初登場10位を記録。そのツアーは全国27箇所でソールドアウトを記録。2017年1月には新しいシングルのリリースと日比谷野外大音楽堂でのワンマンを含むツアーも発表。
SUPER BEAVER New Single
「美しい日 / 全部」
M-1, 美しい日
M-2, 全部
M-3 27(LIVE ver.)
発売日:2017年1月25日(水)
品番:NOID-0018
価格:¥1,000(+tax)
発売元:[NOiD] / murffin discs
販売元:Japan Music System
「花キャン献血ルーム一日所長」は若者世代に向けての献血の大切…
2018年2月19日
12月18日(土)京都駅近くのイオンモールKYOTOで京都府…
2022年1月24日