大学生による大学生のためのWEBマガジン
こんにちは。
今年度からガクシンサークル員になった柏です。これが初めての徒然日記になります。
徒然、と言ったら吉田兼好の『徒然草』。人生や社会は移ろいやすく不安定であるという「無常観」をテーマとしているが、これをポジティブに捉え、不安定に囲まれた中でも自分の心が豊かであることが何より尊いと説く随筆です。
ただ徒然草はあくまで随筆であり、読者に教訓を与える目的で書かれたわけではありません。言えば、出来事を受けて心に浮かぶものがあった時に、それを兼好が自分の言葉で記した、その寄せ集めです。
実は、私の長年の悩みの一つが、こうした文章を書くときに、最初から何か一つの終着点を置いてしまうことなんです。文章構成をあらかじめ行うこと自体はいいと思うのですが、その終着点というのが人生の教訓めいたものであることが多く、書いている途中に無理をしながらなんとかその教訓に話を持っていこうとしてしまうのです。
ここから、まずは心に浮かんだものをありありと言葉にする、その言語センスを磨きたいなあと思っています。このセンスは経験によって培われるものです。出来事がある、心に浮かぶものがある、というひとつひとつの手順に集中して意識を向け、全力を尽くして表現するという経験の積み重ねが物を言うはずです。
徒然草を書いた吉田兼好は、貴族に仕える知識人としての名誉を捨てて隠者になり、ゆったりと自分の心と向きあう生活を送ったようです。兼好のような身の振り方は叶わなくとも、その精神から学ぶことは多いと思わせられます。
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