「本格的な冬支度を」の文字を横目にぼーっとする日々が続く。一日のスケジュールなんてご飯食べるか、オンライン授業受けるか、バイト行くか、数えるほど。大半の大学生なんてそんなもんでしょう。たいていのことは家の中で事足りるから「本格的な冬支度」は必要ない。

私は荒神橋から見た鴨川の景色が大好きだ。大学4年間を常にこの景色とともにしたように思う。出町商店街のドーナツ屋で豆乳ソフトを買って、鴨川沿いを歩きながら食べるなんて贅沢はもう一生こないのかもしれない。この体験が「普通」だった、から「特別」だった、へと変わってしまうことは少し寂しいが「特別」に変わることで体験価値は上がるのかもしれないと思うと致し方ない。

昨今のコロナによって社会に内在する偏りが浮き彫りとなり、見直され始めている。どうやらいままでの「特別」を「ニューノーマル」と定義づけてしまうらしい。社会の刷新とともに特別だった体験はあたりまえへと変わってしまうのだろうか。「特別」の扱い方には慎重になりたいものだ。